2006年06月27日

学会2日目

 今回参加しているのは、情報処理学会系のIFIP=International Federation for Information Processing(http://www.ifip.or.at/)の教育部門(TC3)の中にある3つのワーキンググループによるジョイントCONFERENCEである(http://ifip35.inf.elte.hu/alesund/)。
 WG.3.1 Informatics and ICT in Secondary Education
 WG3.3 Research on Education Application of Information Technologies
 WG3.5 Informatics in Elementary Education

 今日も朝8:30にホテルを出発。
 9:00からWG3.1の歴代チェアによるパネルディスカッション。
 テーマは、ICT in Education, past and future。
 未来についてのコメントがおもしろかった。
「ICTの活用は、もはやチャレンジではない(当たり前だっていうこと)」
「生涯学習におけるICT活用がさらに重要になる」
「ネットワークは、学校という組織や、教師と学習者の関係を変える(新しい関係をつくる)」
「ICTの活用を前提とした時の教師の(専門職としての)価値、役割を問い直す必要がある」
「知識社会における知識格差(knowledge devide)が課題(デジタルディバイドは、技術的な問題で、今後はアクセスできるかどうかではなく、理解できるかどうかが課題)」
「中等学校でICTを活用することによって、学校改革、改善につなげることが重要(中等教育が難しくなっていることへの対応)」

タブレットPCの活用に関する発表
 英国で行われたタブレットPCの活用に関する国家プロジェクトの報告。デザートが大好きなOpen Universityのトワイニングさんがチーフである。発表は別の人。
 BectaのタブレットPCに関する報告書のページはここにある。
 http://partners.becta.org.uk/index.php?section=rh&catcode=_re_rp_ap_03&rid=11279
 このセッションはみんな興味があるらしく、ほとんど全員が参加していた。
 12の小中学校(なんと、4,5才の子どもを対象にしたものも含まれている)にタブレットPCが大量に導入され、事例研究の成果が発表された。事例の一つは、ハイディさんがアレンジしてくれたNew Line LearningのThe Cornwallis Schoolのものだった。
 基本的な活用パターンは、
  数学、理科などの図や絵が必要な教科で
  ノートをとる
  (教師の?)プレゼンを修正、加筆
  教師がワークシート等をデータで配布して、書き込む
 その結果、
  教師も子どももすぐに馴染む
  ただし、導入時には技術サポートが必要
  タブレットPCは、子どもたちに活用の自由を与える
  learning spaceを拡大する
  個人もちのタブレットPCは、授業時間以外にも多く活用される
 また、
  コンピュータスイートが不要になり、各教室がその代わりになる。
  教室の明るさが問題になる
  子どもたちの画面を投影する場合、大きなスクリーンが必要になる(字や絵が小さいから?)
 
IWBの効果に関する研究
 最も強調されていたのが、enliven and enrich didactic pedagogy
 つまり、IWBを活用することで、講義形式の授業において生徒の注意を引きつけることができるようになる、ということ?
 どうも、英国では、特に中等学校では一斉授業は成り立たない、という前提があるようだなぁ。だから、日本の授業のほとんどが一斉授業だというと、生徒のbehaviorの問題はないのかと言われるのだろう(でも、ドイツの人と話したら、ドイツは日本と同じような感じだと言っていたなぁ)。

 英国の人たちに日本の授業について、一斉授業が中心で、個別やグループ学習はそれほど多くなく、授業がうまいかどうかも、一斉授業の部分で評価されることが多い、というような話をすると、いつも聞かれることは同じである。
 それで、生徒達はきちんと授業に参加している(できている)のか?
 わかっている子どもとわかっていない子がいるのに、どうして一斉授業が成り立つのか、生徒が静かに聞いているわけがない、ということらしい。これ答えようがなくて、困っているのだけどなんて答えたらよいでしょう?
 英国の場合、習熟度が異なれば、それに応じて課題も指導も異なるのが当たり前。1クラス30人を4,5グループに分け、教師とアシスタント、場合によっては教育実習生が分担して下位群の子どもたちの指導を中心に行い、上位群の子どもたちは、少し難しいワークシートに自分で取り組むなんていう授業パターンが多い。条件が違うと言ってしまえばそれまでだけど、根本的な考え方が違う。
 日本は、加配の先生を当てて、クラスを二つに分けるぐらいがせいぜいで、そこでも一斉授業をしていたりするわけで・・・。
 IWBに関するBectaの報告書はここにある。
  http://partners.becta.org.uk/index.php?section=rh&catcode=_re_rp_ap_03&rid=11275

 今日のランチは、大学の近くにあるスンモーレ野外博物館(15-19世紀の古い建物やバイキングの帆船が展示してある)に歩いて移動して食べた。歩きながら、ドイツの人、ノルウェーの人と教育制度の違いについて話をし、イランから来た人と一緒に食事をした。昨日は、東京に5年住んでいたことがあるハンガリーの人と日本語で話をした。いろいろなイベントを行うことによって、知らない人同士が話をするきっかけをつくっている感じ。ガイド役のノルウェーの人は、「野中という有名な日本人を知っている」(これは野中 郁次郎のことだと思う)とか、「おもしろいジョークを教えてやろう」(これは笑えたけど、キリスト教の知識がないと本当の意味はわからない、と言っていた)とずいぶんサービスしてくれた。
DSCF1660.JPG.200.jpgDSCF1673.JPG.200.jpg

Posted by nonaka at 2006年06月27日 18:29
Comments
Post a comment









Remember personal info?