ICTは、英国ではsubject(教科)の一つである。
キーステージ1から必修科目になっており、レベル1から8までの到達目標が示されている。
キーステージ1ではレベル1-3の内容について学習し、レベル2を到達目標とする
キーステージ2ではレベル2-5の内容について学習し、レベル4を到達目標とする
キーステージ3ではレベル3-7の内容について学習し、レベル5,6を到達目標とする
ナショナルテストでは、これらの到達目標が各キーステージごとに達成されているかどうかが評価されるのである。
そして、これらの目標には、5つの側面が含まれている。
何かを見つけ出すこと
考えたことを引き起こすこと
情報交換と情報共有
向上のために振り返り、修正し、評価すること
学習の広がり
ところで、ナショナル・カリキュラムに関連する情報は、いくつかのWebで提供されている。
ナショナル・カリキュラム・オンライン http://www.nc.uk.net/
いわゆる日本の指導要領と同じで、法的に定められたものが示されている。教科、キーステージごとの目標とその達成のために必要な教師向けのリソース(教材等)を提供している。
ナショナル・カリキュラム・イン・アクション http://www.ncaction.org.uk/
到達目標を達成するために必要な学習活動と授業内容、方法に関する基準が例示されている。例えば、各教科において、ICTを活用する場面が示されている。
スキーム・オブ・ワーク http://www.standards.dfes.gov.uk/schemes3/
目標達成のために、具体的な指導計画をどのように立案するかについて示されている。
これだけ揃っていれば、指導計画の作成や教材の選択は比較的楽にできるでしょう。
英国のナショナル・カリキュラムの本文を訳すのは難しいが、作られ方がなかなかおもしろいので、少しコメントしておこう。
まず、キーステージごとの学習内容と到達目標の設定の仕方である。個人差を前提にしているので、学習内容の範囲は広く、全員が到達すべき目標を超える範囲まで学習するようになっている。また、キーステージ2,3では、本来到達していなければならないレベルの学習内容も含んで学習するようにしている。学年が進行しても、到達していない学習内容があれば、それをカバーするのが当然ということなのだろう。中央教育審議会の初等中等教育分科会でも話題になったようだけど、日本も少し「課程主義」・「修得主義」の考え方を導入した方が良さそうだ。
ICTに関しては、教科としてのICTよりも、他教科の中でのICTの位置づけがおもしろい。各教科の中で、この内容についてはICTを使うこと、ということが随所に示されているのである。それも2種類ある。一つは、ICT statutory requirements で、法的に定められたものとして、つまり各教科の指導要領の中にICT活用が埋め込まれてしまっているのである。もう一つは、ICT opportunitiesで、これは義務ではないが、例示されているものである。
教科の情報化を徹底するなら、日本の学習指導要領においても、各教科にICT statutory requirementsを埋め込むことになるでしょうか。しかし、英国は、2000年のナショナル・カリキュラム改訂に時に、既にこれらが組み込まれていたのだから、普及するのも当たり前だよなぁ。